日産自動車が掲げる「国内生産100万台」の確保に黄信号がともっている。消費税増税後の需要減で国内販売が低迷している上、海外への生産移管で輸出も減少しており、2014年度の生産台数は過去半世紀で初めて100万台を割り込む見通しだ。8日に公開した追浜工場(神奈川県横須賀市)では、グローバルな「ものづくり拠点」として存在感を維持しようと腐心する社員の姿があった。
整然と流れる車両の生産ラインでは、重たい部品を機械が作業員の手元まで持ち上げるなど社内で考案したさまざまな効率化の工夫が生かされていた。
高橋徹工場長が「ここで生まれた“カイゼン”はグローバルに水平展開している」と胸を張る通り、追浜工場は日産が世界34カ所に持つ車両生産拠点の指導役を務める。各地の工場から集められた幹部社員を教育する人材育成の拠点でもある。