防衛装備輸出は安全保障の切り札 先端技術移転が「抑止力」に (3/4ページ)

2014.7.11 07:08

 仏モデルに振興機能

 防衛省は、職員2000人規模の防衛装備庁創設を機に、こうした取り組みを本格化する計画だ。防衛装備庁には装備移転の厳格な管理だけでなく、フランスの国防装備庁などをモデルに輸出振興の機能も持たせる。

 「(輸出先に対し)防衛省による装備品の訓練などがパッケージで提供される必要がある」(三菱重工業の水谷久和取締役防衛・宇宙ドメイン長)といった産業界の要望に応え、防衛省は移転促進の仕組みを整備するため、自衛隊法などの改正も視野に入れている。

 ■産業界、求められる覚悟と意識改革

 元自衛隊幹部によると、「防衛装備を輸出する場合、装備の使い方だけではなく、例えば野戦の最中に敵の攻撃を受けて損傷した戦車の砲塔やエンジンを部隊の兵士が暗闇の中でも交換できるように、手順を詳しく伝えなければならない」という。具体的には移転先の海外部隊を自衛隊の学校に招き、教習やマニュアル作成の助言を行うといった支援が想定されている。

 政府が防衛産業の国際化を後押しするのには、もう一つ理由がある。防衛産業に詳しいコンサルティング会社、グローバルインサイト(東京都千代田区)の長瀬正人社長は「厳しい財政事情の下で防衛産業を保護するのは難しい。生き残りの道を海外との連携、進出に求めていくのが早道だ」と解説する。国際化を進める以外には、防衛産業の基盤を維持できないところまで来ているというわけだ。

日本メーカーに問われる「覚悟」と「誇り」

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