【レクサスブランドの現状と今後の展望】(4)
レクサスのブランド戦略を進めるには、超えなくてはならないハードルも少なくありません。
クルマメーカーなのに、「INTERSECT BY LEXUS - TOKYO (インターセクト バイ レクサス 東京)」は服飾小物や日用小物の販売やダイニング事業など、クルマ以外のことに取り組んでいる。「それとクルマってどう関係あるの?」と聞かれたときに関連性を説明する文脈づくりがしっかりできていないといけない。「“かっこいい”ならなんでもいいじゃん」、では通らない。きちんと有機性がないと。
レクサスの課題はトヨタからの「ひとり立ち」
トヨタ自動車のレクサスではない、とわかってもらうことも課題です。トヨタの名前は邪魔なんです。レクサスはトヨタの高級車ブランドですが、2012年に豊田章男社長直轄の社内バーチャルカンパニーとしてこの組織ができたとき、レクサスをやっている人は全員レクサスのことしか考えないことになりました。つまりクラウンのエンジニアはレクサスをつくらない。もちろん金銭的には親会社に助けられていますが、子どもとしては独立してやっていきたい。レクサスとしてのメッセージはこれだ、ひとり立ちするぞ、という気概でやっています。