製品スケッチが完成したのは同年12月。製品スケッチはすぐに韓国の開発チームに届けられ、新機種作りが本格化することになった。
RSは、機能面では主に2つ改善した。ハウスダストを多く吸引してほしいという声に応え、モーターの強度を上げ、専用パッドの1分間当たりの振動回数を従来機種と比べて最大約3割増の4000回に高めた。新たに回転ブラシも組み込み、取りにくかった髪の毛やペットの毛をブラシに絡めながら吸い込めるようにした。
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また、デザイン面でも工夫を凝らした。レイコップの購入者から「きれいになった実感がある」と評判の良い「ダストボックス」の透明窓を改良。横約2センチ、縦約3センチの長方形だった従来製品を、直径10センチ程度の円形にしたうえ発光ダイオード(LED)照明を搭載して、ダストボックス内にたまったゴミをより見やすくした。さらに、ハンドルを長く伸ばして操作しやすくしたほか、別売りの収納台も新たに作るなど使う人の視点に徹底的にこだわった。
販売を担当するレイコップ・ジャパンセールス部の和田信彦マネジャー(41)は「以前の機種では売り場で触れても使い方がよく分からないという消費者が多かった。RSは触れたときの理解度が大きく向上した」と反応の変化に満足げだ。
日本では09年6月からレイコップの販売を始め、RS投入までに累計75万台を売り上げた。昨年10月にRSを契機に累計台数は14年4月に150万台に達した。07年から開拓に乗り出した世界市場の開拓も進め、欧米だけでなく中国でも販売網を築いた。昨年12月の同社集計で、世界での累計販売台数は300万台に達しているという。