パナソニックやシャープなど家電各社が、昔ながらの「縦型洗濯機」に力を入れている。収益性の高い高付加価値型は、ドラム式が主流になったが、設置スペースが小さくて済む縦型は日本の住宅事情に適しているため根強い人気がある。中国など新興国でも縦型の需要は大きく、パナソニックは洗濯物の取り出しやすさをアピール、シャープはカビの繁殖を抑える利点を強調するなど、各社がそれぞれ個性を生かした商品を展開している。
パナソニックは、縦型洗濯機の世界統一モデルを5月に発売する。操作パネルを洗濯物投入口の後方に配置し、投入口の直径も従来製品に比べて約4センチ広くして、大きな洗濯物も楽に出し入れできるようにした。
パナソニックは、「愛妻号」の商品名で縦型洗濯機をリードしてきた歴史がある。洗濯機担当の渕上英巳事業部長は「1年半前から準備を進めてきた自信作。縦型洗濯機は世界戦略のうえで重要な商品だ」と強調する。