東京都内の代表的な木造住宅密集市街地である中野区の鍋屋横丁。その一角に旭化成ホームズ(東京都新宿区)は「街かどヘーベルハウス」を建てた。この建物はいわば、街の“住宅展示場”。一定期間にわたって内部を公開した上で売却する。
ヘーベルハウスは、防火性の高さが売り物。池田英輔社長が「本当に安全な家を造った」と断言する自信作だ。随所にその特性が反映されており、その代表例が「うだつが上がらない」の語源である「うだつ」。日本家屋の屋根に取り付けて防火の役割を果たす小柱で、道路側の開口部に延焼火災から守る二重壁のうだつを設置した。
ライフラインの断絶も想定。太陽光による発電と蓄電によってエネルギーの自給を目指す。
1995年の阪神大震災では、周辺住宅が倒壊したり焼失したりする中、ヘーベルハウスは防災性を武器に周辺住民の臨時避難所として活躍した。この経験を踏まえ「ここシェルター」という機能を提案。米や飲料水、カセットボンベ、ポーチトイレなど近隣住民100人が3日間必要とする必需品を備蓄する。