各社の動きに見え隠れするのは、増税後に一層高まる値下げ圧力をかわそうという思惑だ。定番品は店頭での値引き競争に巻き込まれやすいだけに、商品価値を向上させて価格への“納得感”を高める必要があると判断した。
一方、あえて「値下げ」に踏み切り、節約意識に訴える動きもある。日清食品は増税後の4月7日から、カップラーメン「日清ラ王」シリーズの希望小売価格を現行の税別237円から198円に引き下げる。具材のモヤシを価格が安い白ネギに変更するなどコスト削減を重ね、税込みでも200円台前半と買いやすい価格に抑える。
容量や中身は変えないものの「商品イメージを新しくしたい」(乳業大手)との理由で、増税時期に合わせて定番商品の包装デザインを変更するメーカーも目立っている。