“賭け”に踏み切ったサントリー ビーム社買収の「英断」 (2/4ページ)

2014.2.2 07:00

 寡占化が進む蒸留酒ブランドの買収機会は極めて少ない。24年に「ジムビーム」の国内販売権を得て、ビーム社との結びつきを強めたサントリーは、昨夏から買収への動きを加速した。金融緩和の追い風もあり主要取引行の三菱東京UFJ銀行も買収資金の融資に前向きだった。

 11月上旬、佐治社長は市場視察の名目で来日したビーム社のマット・シャトック最高経営責任者(CEO)を東京・台場のサントリー社屋に迎え、食事をともにした。手応えを得た佐治社長は特命チームに本格的な買収交渉を指示した。

 「ビーム社と(買収)契約の締結に至り、大変うれしく思います」

 佐治社長が喜びのコメントを発表したのは、それからわずか2カ月後の1月13日だった。

 双方の思惑合致

 サントリーは昨年のウイスキー海外販売量を前年比25%増の18万ケースと大幅に伸ばしたものの、数千万ケースの規模を持つ海外勢との差は大きい。ビーム社はインドやロシア、ブラジルなどの新興国にも販売網を持ち、サントリーブランドを各国に浸透する上で相乗効果が期待できる。

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