キヤノンが29日発表した2013年12月期連結決算は、売上高が前期比7.2%増の3兆7313億円、最終利益が2.6%増の2304億円で、3年ぶりの増収増益となった。ただデジタルカメラはスマートフォン(高機能携帯電話)の普及や消費動向の変化で、レンズ交換式が初めて前年実績を割り込んだ。従来の拡大路線が転換期を迎えていることが顕著になった。
営業利益は4.1%増の3372億円。円安が追い風になっており、売上高で5140億円、営業利益で2176億円の押し上げ効果があった。オフィス向け複写機や家庭向けプリンターなども好調だった。
不振が際立ったのがデジタルカメラだ。コンパクトカメラは市場縮小が続き、販売台数は1320万台にとどまり、前期から約3割減少した。これまで増加が続いていた主力の一眼レフなどレンズ交換式カメラも765万台と初めて前期(820万台)を下回った。