社長就任を打診されたのは、昨年のクリスマスイブ。思わぬプレゼントに「何と答えてよいかわからず、えっという感じ」と重責に逡巡したが、「君しかいないだろう」と佐藤社長に背中を押され、その日のうちに応諾した。
とはいえ、社内外からは「順当な人事」との声が聞かれる。
役員就任後は常に佐藤社長の懐刀として相次ぐ改革の遂行に辣腕を振るうさまに、早くから社長候補との評判が立っていた。
「明るく前向きな性格で些事にくよくよしない」が佐藤社長の人物評。部下に対し大枠は指示するが、細部は任せて能力を引き出すことが常で、「話しやすく、気さくな人」と慕われている。
平成18年に営業の業務運営や評価体系を品質重視に切り替えた際は、慣れ親しんだビジネスモデルの切り替えへの社内の抵抗は大きかったが、求心力を発揮して社内の協力を取り付け、新制度の定着に貢献した。
趣味は演劇鑑賞で、歌舞伎を含めて年間20~30回は足を運ぶとか。「たまに見ないと禁断症状が出る」と笑わせた。(万福博之)