同社は「プレミアムに特化する戦略」(他メーカー関係者)で、シェア拡大の決め手をつかんだ。今年も「ザ・プレミアム・モルツ」のキャンペーンを切れ目なく展開し、2%増の販売を目指す。
サッポロも強気だ。老舗ブランド「エビスビール」は昨年、販売量が1.7%増と3年ぶりに前年実績を上回ったが、今年は4%増を目指す。
「誕生以来124年にわたり築いてきたブランド価値を最大限に生かす」と尾賀真城社長は鼻息が荒い。今年はより高価な新商品やギフト専用品を発売するほか、販促費を40%上積みしてプレミアム人気を取り込む。
市場10%拡大に期待
ビールの昨年の課税出荷量は5年前の08年と比べ約15%減少した。その中で、ビールの1割前後だったプレミアムの割合は14%弱まで拡大。加えて、プレミアム版は価格を従来品より1~2割高く設定できるため収益性が高いという事情も、各社を「戦争」へと駆り立てる。