業績好調な加盟企業に賃上げを促し、ベアを容認した今年の経団連「経営労働政策委員会報告」は、ベア実施に消極的だった過去の指針から一転、デフレ脱却に賃上げが必要とする安倍晋三政権と共同歩調をとる方針を明確にした。賃上げに協力姿勢を示すことで法人税減税や規制緩和など企業の競争力強化につながる成長戦略の早期実施を促す狙いがある。
報告書は政府と経済界、労働界が意見交換した昨年末の政労使協議で「収益の改善を賃金の引き上げにつなげていくと表明した」と記したうえで、2014年春闘を「デフレ脱却に向けた最大のチャンス」と位置づけている。
15日に会見した経労委員長の宮原耕治副会長は「経済が回り次の成長に向かうためには、設備投資だけでなく雇用の改善や賃上げで消費を活性化することだ」と賃上げの重要性を強調した。