トヨタ自動車グループの労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会は10日、宇都宮市で中央委員会を開き、2014年春闘でベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分を統一要求する執行部案を提案した。11日に決定する予定で、統一要求は09年以来5年ぶり。具体的な金額は盛り込まなかったが、連合など上部組織が掲げた月例賃金の1%以上を念頭に傘下の各組合が労使交渉を行う見通し。
全トヨタ労連傘下のトヨタ労組は春闘全体の相場形成に強い影響力を持つ。統一要求を受け、安倍晋三政権が要請する賃上げに向けたムードが高まりそうだ。
執行部案では、労働の質向上などを勘案してベアを要求。東正元会長は「(ベアの)具体的な数字は示さないが、1%を外すことはありえないと“あうん”の呼吸ができている」と説明し、各組合が自主判断で「1%以上」のベア交渉を行うとの見通しを示した。