三菱自動車の益子修社長は29日開かれた2013年9月中間連結決算の会見で、賃金体系全体を底上げするベースアップ(ベア)について、「(2014年春闘で)ぜひ前向きに考えていきたい」と述べた。ベアが実現すれば00年以来14年ぶりになる。
益子社長は業績が改善したことに加え、「(賃上げは)安倍晋三政権が重要課題として取り上げており、景気もだいぶ良くなってきた。従業員の生活レベル改善につなげたい」とベアの理由を説明した。
また、1997年の中間配当以来、無配だった普通株の配当についても、「今年度中のできるだけ早い時期に復配のめどを付けたい」と明言した。
三菱自は2000年のリコール(無料の回収・修理)隠しで経営難に陥り、三菱グループが優先株を引き受けて実質的な管理下に置いていた。来年1月にも2000億円規模の公募増資を実施し、優先株を全額処理。配当負担の重い優先株がなくなることで財務体質を改善させ、普通株の配当を復活させる方針だ。