来年4月の消費税率引き上げに向け、レジスターや券売機のメーカー各社が、税率変更に使うソフトの提供やホームページでの告知などの対応を急いでいる。税率が8%に変更されるうえ、価格表示の方法も従来と変わるためだ。「特需」を取り込もうと、新製品を売り込むメーカーも出ている。
「見積もり依頼などの問い合わせは前年の1.5倍ある」
小売りや外食向け機械を販売する寺岡精工の担当者は、タッチパネル式券売機の新製品の手応えを話す。
従来のボタン式は、増税で価格表示を変更するたびに手作業で入れ替える必要があった。タッチパネル式の新製品では、消費税増税時の新価格などのデータをインターネットで券売機に送信するだけで済む。すでに牛丼チェーン店などに納入しており、税率10%への引き上げも予想される中、買い替え需要が期待される。
東芝テックは5月に消費税対応準備室を設置した。政府が消費税増税を正式決定したことを受け、精算やデータ管理に使うPOS(販売時点情報管理)レジの設定変更ソフトも用意。複数の商品の価格を一斉に変更することができ、同社のPOSを利用する小売店などに提供している。