「(男性には)奥さんに子供さんもいる。真剣に雇わなくては」と考え、男性の魅力や、会社の事業やサービス内容、今後のビジョンなどを熱弁した藪ノ社長。その思いは見事伝わった。これ以降、社員を採用した後に自宅を訪問するのが慣例に。これまで10人以上の社員宅を訪問したという。
家族が仕事を理解してくれれば、残業などで帰りが遅くなっても家庭の雰囲気が悪くなりにくいという。さらに藪ノ社長は「家族に会えば本人のことも分かる」とし、「あらゆる面で相互理解が深まる」と強調。社長が足を使って職場と家庭の環境をよくしているのだ。
残業なしの「正社員」も
クックビズのユニークな人事の取り組みは家庭訪問だけではない。今年6月には残業をしなくてよい「ワーク・ライフ社員」制度を導入。きっかけは子供を持つパートの女性社員だった。正社員になりたいが保育所は午後7時で閉まってしまう。そこで残業を免除し、早く帰宅できるようにした。