大阪、松山にもオフィスを構えるソフトウエア開発会社「サイボウズ」(東京)が、育児休暇ならぬ「育自分休暇制度」を昨年5月から導入している。育てる対象は子供ではなく、自分自身。認定されれば、いったん退社後、最大6年以内の復職が可能で、期間中に転職するもよし、海外へ長期旅行するもよし。「規則や人事管理が厳しい」と言われるIT業界において珍しい取り組みの裏には、将来性の高い優秀な社員に幅広い視野を身につけてもらう人材戦略がある。
優秀な社員に旅をさせよ
赤色のカバーに「サイボウズ」の文字。まるでパスポートだが、これは育自分休暇制度が許可された人だけがもらえるサイボウズの特製パスポートだ。制度で認定されると、別に「育自分休暇証」も取得できる。
「将来性のある社員に人生の旅をさせるような取り組みだから」。パスポート型にした理由について、制度設立に関わったサイボウズ社員は打ち明ける。
昨年5月に導入された制度は、35歳以下の男女社員が対象。いったん退職して最長6年の期間中は、サイボウズに戻ることが可能なシステムだ。