中国では工場用地の取得などあらゆる場面で地方政府の許認可を取らなければならない。ところが許認可の基準はあいまいで、担当者の裁量次第で必要書類が変わるなど、公務員とうまく付き合わなければ事業の停滞を余儀なくされる。
「中国でビジネスをしようと思うのなら、賄賂は必要悪だ」とコンサルタントはいう。
特に待遇に恵まれない郡部の公務員はモラルが低く、高額接待や収賄への抵抗感が薄い。今年3月に中国政府が発表したところによれば、12年までの5年間に汚職で立件された公務員は約22万人。深刻な政治腐敗を受け、中国共産党は汚職撲滅を宣言したが、依然として地方では贈収賄の商習慣が幅を利かせているとみられる。
OECDが勧告「日本での摘発は低調」
このように「必要悪」とも認識される海外での贈賄行為だが、公正な商取引を妨害することから、近年は国際的に厳しい取り締まりが求められている。