不正が明るみに出たのは愛知県警が着手した国内のフタバ本体の不正融資事件がきっかけだった。
県警は今年1月、フタバ産業が国内関連会社の倒産を防ごうと不正融資をした事実を隠そうとしたとして、元役員らを有印私文書偽造容疑などで逮捕。捜査の過程で中国での不正支出を疑わせる報告書が押収され、県警が捜査を進めていた。
相次ぐ不祥事にフタバ産業は「深くおわびする。コンプライアンス体制の強化に尽力する」とのコメントを出した。
贈収賄は「商習慣」
「進出企業が中国公務員の収賄体質を利用し、金でトラブルを解決しようとするのは決して珍しいことではない」。中国市場に詳しいコンサルタントは今回の事件を「氷山の一角」と指摘する。
改革開放をうたい、外資を呼び込むことで経済成長を進めた中国には、00年ごろからトヨタやホンダなどの自動車メーカーが進出を加速させた。フタバ産業も01年、香港に現地法人を設立。元専務はこの1年後から、現地公務員に賄賂を渡していたという。