今回の充電インフラ整備に向けた協力体制は、商品の幅を維持するための連携だが、「お付き合いの一環」(自動車メーカー幹部)の側面が大きいようだ。
お付き合いの一環
トヨタにとっても、状況は同じだ。当初は「HVの次はPHV」と位置づけようとしたが、「大規模マンション1階に充電設備があっても、充電が完了するまでの時間が長いため、住民同士で取り合いになる。都市部では普及は難しい」(トヨタ幹部)という判断に傾いた。
また、「HVが売れている。ガソリンも入れつつ、充電もしなければならないPHVを無理に拡販する必要はない」という理由から、PHVの可能性を感じつつも、ホンダと同様に「次世代技術の本命は燃料電池車」(内山田竹志会長)と言ってはばからない。国内販売においても、PHVは昨年1年間で1万970台と低迷している。
ただ、トヨタは「1日の走行距離が決まっている配送用のトラックなどでのEV需要は一定数ある」(小木曽聡常務役員)としており、グループ会社の日野自動車とともに開発は継続していく計画で、今回の充電スタンドの拡充への協力は、こうした理由もあって決断したようだ。