持続可能な農業
同島がオランダ領だった戦前、トラジャ産のコーヒーは欧州の王侯貴族が好んで飲む高級コーヒーとして確固たる地位を築いていた。しかし、戦後に農場は放置されて荒れ放題に。いつしか“幻のコーヒー”となった豆を再び本格的に生産しようと、1970年代にキーコーヒーがトラジャの農場開拓に乗り出した。「道をつくり、土を耕し、コーヒーの木を植えるところから始めた」と、20代だった当初から農場で働き、当時を知るユスフ農場長は振り返る。
現在は「最盛期は500人が収穫作業に従事する」(ユスフ農場長)と、周辺の雇用にも大きく貢献するようになった。
機械で収穫する農場もある中、パダマラン農場はすべて手摘みで、完熟した実だけを選んで摘む。来年の収穫に影響が出ないように摘み方に工夫を加えているほか、木を植える間隔も実が最もよく育つよう何度も調整した。