革新機構は今後、ルネサスに取締役を送り込む方針。同日、ルネサスの赤尾泰社長は記者団に「責任を取るつもりがある」と述べ、辞任の可能性を示唆した。具体的な時期には言及しなかった。ルネサスは革新機構の求めに応じ、追加の人員削減に乗り出す方向だ。
「日本の半導体産業全体の構造改革がテーマだ」。革新機構の能見公一社長は同日の記者会見でこう強調した。
革新機構とトヨタなどの官民連合がルネサスの支援を決めたのは、「日の丸連合」で国内製造業の競争力を維持するのが狙い。マイコンは国内自動車大手などと二人三脚で培った技術。一時は米投資ファンドによる買収に傾きかけたが、ルネサスが外資に渡れば「虎の子」の技術が海外流出する懸念もあった。
ただ、大口取引先が株主となることで、ルネサスが顧客の求めに応じ多品種を低価格で提供する低収益体質はそのまま残りかねない。