シャープ・鴻海の交渉が暗礁に 薄まる存在感、相次ぐ暴動でイメージ悪化 (3/4ページ)

2012.11.17 08:05

 「このところ彼(鴻海の郭台銘会長)も忙しいみたいで、最近は電話会議ができていない」。奥田社長は鴻海との交渉状況についてこう説明する。また、鴻海グループの中国工場で頻繁に起こる暴動も、両社の交渉に影を落とす。

 11月9日には、米アップルの製品を受託製造する広東省の鴻海グループ工場で従業員5千人による暴動が発生。きっかけは、警備員が賭け事をしていた従業員を連行しようとしたということだが、工場施設が破壊・放火され、香港メディアによると、数百人の警察官が出動する騒ぎとなった。

 9~10月にも山西省や河南省の工場で2千~4千人規模の暴動やストライキが発生。劣悪な工場環境と厳しい業務管理があるとされ、日頃の従業員の不満が一気に爆発、暴動につながっているとみられる。

薄まる鴻海の存在感

 鴻海との交渉が長引く一方、シャープへの出資先候補として、インテルやクアルコムなど鴻海以外の社名も浮上し始めた。

「中国での相次ぐ暴動などはあまりにもイメージが悪い」

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