シャープは1日、2013年3月期の連結業績予想を下方修正し、最終損益が4500億円の赤字(従来予想は2500億円の赤字)になる、と発表した。12年3月期の最終赤字3760億円を上回り、2年連続で過去最悪の赤字を計上する。
ソニーも同日、13年3月期の売上高を従来予想から2000億円少ない6兆6000億円に下方修正した。世界的な景気減速や日中関係の悪化などの相次ぐ逆風が、電機メーカーの再建を阻んでいる。
「環境の変化に対し、スピード感を持って対応できなかった」。シャープの奥田隆司社長は会見で、業績悪化の要因をこう説明した。
需要の低迷と価格下落が進む主力の液晶パネルや太陽電池で採算が悪化。太陽電池工場の縮小や液晶パネルの在庫の評価損など、リストラ関連費用844億円を特別損失として計上したことが響く。業績悪化に伴い、将来の利益確保を前提に税金還付などを見込んで計上した「繰り延べ税金資産」の取り崩し(610億円)にも迫られた。