大手電機8社の2012年9月中間連結決算が1日出そろい、東芝とNECを除く、6社の最終損益が赤字または大幅な減益となった。またNEC以外の全社が13年3月期の通期業績予想を下方修正し、“日の丸電機”の苦境ぶりが浮き彫りになった。
特に業績改善に向けた構造改革を進めていたはずのパナソニックとシャープの家電2社はそろって巨額損失を計上。両社の最終赤字額の合計は1兆2150億円にも膨らみ、経営状況はむしろ深刻化している。
薄型テレビなどデジタル家電の価格下落に対応できずに競争力を失い、新たな収益源が見えない構図から抜け出せていない。止まらない“出血”は研究開発投資や設備投資など巻き返しの芽も摘みかねず、国際競争の舞台から転落しかねない。
シャープの最終赤字が膨らんだのは、テレビ事業の巨額赤字をカバーするはずの液晶パネルや太陽電池事業が、利益を補うどころか、新たな赤字を生み出しているためだ。前日に決算を発表したパナソニックも事情は同じ。テレビの赤字を穴埋めするはずだった太陽電池、リチウムイオン電池の採算悪化が続いている。