通期の最終損益予想を200億円の黒字で据え置いたソニーも、「下期は景気動向の不透明感が続き、厳しい事業環境が想定される」(加藤優・最高財務責任者)と不安を残す。実際、収益源のデジタルカメラは通期の販売計画を200万台減の1600万台に引き下げた。
3社はリストラを徹底するなど今期中にうみを出し切るとしているが、「新たな収益源を育てられなければ、抜本的な解決策にはならない」(証券アナリスト)。成長分野として期待する白物家電や携帯電話、医療・環境関連も競争環境は厳しい。
円高や新興国の景気減速、日中関係の悪化など逆風は続いており、1日の東京株式市場ではパナソニック株が、ストップ安まで売られ、終値は前日比100円安の414円と、約37年8カ月ぶりの安値に沈んだ。電機の先行きに対する市場の懸念は深まっている。(今井裕治)