シャープの2013年3月期連結決算の通期業績予想が、8月に公表した最終赤字2500億円から2000億円前後悪化し、4500億円前後の最終赤字になる見通しとなったことが25日、分かった。
液晶パネルなどの在庫評価損を計上するほか、将来に一定の黒字を確保することを前提にしている繰り延べ税金資産の一部を取り崩すため。8月に業績予想を下方修正してからわずか3カ月で抜本的な再建計画の練り直しを迫られることになる。
関係者によると、太陽電池事業の収益の低下を受け、生産設備の減損などで約300億円の損失が発生。また、液晶パネルなどの在庫に対しても900億円前後の評価損を計上する。
これらの減損処理や評価損を受け、繰延税金資産を約600億円取り崩すことから、計1800億円前後の損失・費用が上積みされるもようだ。
このため、12年4~9月期連結決算は従来予想の2100億円の最終赤字から3900億円前後の赤字へと悪化する見通し。同期の売上高は1兆1000億円、営業損益は1300億円の赤字と見込んでいたが、これらはほぼ見通し通りとみられる。