こうした発言が飛び出した背景にはシャープ株の回復の見込みが低いことがある。3月の契約合意時には1株550円だったが、現在では150円前後まで下落。このため、「まずは業績を回復させること」(奥田社長)で株価の上昇を目指すが、思惑通りには進まない。
1日に発表した平成25年3月期の連結最終赤字見通しは過去最悪の4500億円だけに、「今の決算内容では来年3月までに550円なんて戻らない」(同社幹部)とこぼす。
絶えない暴動
経営再建中のシャープにとって鴻海との提携は資本増強のために何としてでも実現にこぎつけたいが、交渉は難航しており、来年3月の期限は刻々と迫る。
今年3月の契約合意から1年間という長期の交渉期間を設けたものの、7月から両社による堺工場(堺ディスプレイプロダクト)の共同運営以外、目立った動きはない。