マツダのコンパクトカー「デミオ」のラインナップに、新しく電気自動車(EV)がお目見えした。市販はせず、自治体や企業向けに100台をリースして走行データなどを集める狙いだが、「クラス最高の電費性能」や「ベース車の良さを変えない」ことにこだわって作り込んだという。開発責任者の藤中充・商品本部プロジェクトマネージャーにアピール点を詳しく聞いた。
--開発で重視したポイントは?
「リチウムイオン電池の配置方法を工夫し、室内空間の広さをベース車と変えないことにこだわった。具体的には、電池を『薄く広く』床下に敷き詰めるレイアウトをとることで、全長や全幅などは変えずに、最低地上高だけを15ミリ上げた。『デミオ』が持っている良さを損なわなず、『マツダらしいEV』を作れたと自負している」
--電池の配置が走行性能にも関係しそうだ
「アルミ素材で軽量化はしたものの、それでも重量がかさむ電池を床下に置いたことで、ボディー剛性がかなり向上している。重量配分も『前輪65・後輪35』から『60・40』へ若干変化した。ベース車より重心が低く、少し後ろ寄りになったことで、運転中にコーナリングの軽快さが増したのを感じてもらえるはずだ」