それでも有識者会議は「極力税金に頼らず」としており、年間料金収入が約2500億円(2011年度)、維持・補修費が400億円程度の首都高速会社からすれば、途方もない額といえる。
大規模修繕や更新にとどめるとしても、その費用は「1兆円規模」(首都高速幹部)とも想定され、これでも大きな負担だ。
環状線廃止案も浮上
都心環状線の廃止・撤去という案も出てきた。環状線を通過する車両の6割は東名から東北道へ、中央道から常磐道へなどといった通過のための利用。来年度中に中央環状線が品川まで延伸し、外環道の整備も進めば環状線の利用が減るとの思惑からだ。有識者会議の最終提言には盛り込まれなかったものの、議論の過程では「撤去は有力な案になっていた」(国交省)。
日本橋の高速高架を撤去して美観を取り戻そうと活動する「名橋『日本橋』保存会」も、撤去構想に乗り気だ。永森昭紀事務局長は「効果があるかどうか、実際の悪影響はどう出るかを含め実証実験すべきだ」という。