昨年のビール類出荷、12年連続減で過去最低 発泡酒も第3も…3ジャンルすべて減少は初

 

 ビール大手5社が16日発表した昨年2016年のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の課税出荷数量は、前年比2・4%減の4億1476万ケース(1ケースは大瓶20本分)だった。国内市場の縮小や消費者の嗜好の変化が続いており、2005年から12年連続で前年割れし、1992年の統計開始以来の最低を更新した。「第3のビール」が登場した2003年以来、初めて3ジャンルがそろって前年割れした。

 ジャンル別ではビールが2・0%減の2億1070万ケースで2年ぶりにマイナスとなった。15年は19年ぶりにプラスとなったものの、ビール類離れに歯止めをかけられなかった。消費者の節約志向もあり、飲食店向けの業務用が伸び悩んだ。

 発泡酒は各社ともに新商品を出さなかったこともあり、6・8%減の5730万ケースで3年ぶりにマイナスとなった。第3のビールは価格の近い酎ハイなどに顧客が流れ、1・2%減の1億4675万ケースで3年連続のマイナスだった。

 ビール類別のメーカー別シェアはアサヒビールが39%で7年連続で首位。キリンビールが32・4%、サントリービールが15・7%、サッポロビールが12・0%、オリオンビールが0・9%で、順位に変動はなかった。