大手ビール4社の平成29年のビール類の販売計画が12日、出そろった。酒税の一本化を見据え、各社は減税されるビールに力を入れる方針だ。だが、節約志向を背景に、割安な発泡酒や第3のビールの人気も根強い。酒税の一本化は38年と先のため、短期的には各社とも発泡酒や第3のビールもこれまで通り展開する“二正面作戦”の構えだ。(大柳聡庸、写真も)
「ビールは長期的に強化する」。12日に会見したキリンビールの布施孝之社長は、32年から段階的に実施される酒税一本化への対応をこう説明した。
まず、各社が取り組むのがビールの商品力アップだ。
アサヒビールは、昨年苦戦したビール「ザ・ドリーム」を2月に大幅に刷新する。麦芽100%ながら糖質50%オフという機能性が売りで、主力「スーパードライ」に次ぐブランドに育てたい考えだ。
キリンは、地域ごとに味わいが違う「47都道府県の一番搾り」など、個性的なビールに力を入れる。風味にこだわったクラフトビールは専用サーバーを4月から飲食店向けに投入し、拡販につなげる狙いだ。
高価格帯のビールをてこ入れするのは、サントリービールとサッポロビール。サントリーは主力高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」を3月に刷新。サッポロも「エビス」ブランドの新商品を3月に投入する。