客奪われ続け苦戦…構造改革急ぐセブン&アイ そごう柏店と西武旭川店閉店

 
グループ成長戦略を発表するセブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長=8日、東京都中央区

 流通大手のセブン&アイ・ホールディングスは8日、傘下の百貨店、そごう・西武が運営する西武旭川店(北海道旭川市)とそごう柏店(千葉県柏市)の2店を9月末で閉店すると発表した。両店とも競合他社に客を奪われ苦戦が続いていた。セブン&アイは、好調なコンビニエンスストア事業と対照的に、総合スーパー(GMS)や百貨店事業の一部で不振が続いており、構造改革を急ぐ。

 同日の会見で、セブン&アイの村田紀敏社長は「構造改革を経て、全体を成長させていきたい」と強調した。

 西武旭川店は1975年、JR旭川駅前の大型商業施設としてオープン。93年2月期には268億円の売上高があったが、2015年2月期の売上高は115億円と半分以下に落ち込んでいた。

 昨年3月に旭川駅直結のショッピングモールが開業し、さらに客を奪われた。そごう柏店は1973年開業。ピークの91年2月期には590億円の売上高があったが、2015年2月期の売上高は121億円と約5分の1に激減した。

 グループ会社でGMSのイトーヨーカ堂については、昨年10月に今後5年間で40店の不採算店舗を閉鎖する計画を公表しているが、そのうち17年2月期中にザ・プライス千住店(東京都足立区)、戸越店(同品川区)、食品館本牧店(横浜市中区)など20店の閉店を行うことも併せて発表した。