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【野口裕之の軍事情勢】金満中国のバブル艦隊がうたかたの夢に終わる幸せ

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【野口裕之の軍事情勢】金満中国のバブル艦隊がうたかたの夢に終わる幸せ

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 だが「権威投射」にはすこぶる有効だ。まずは尖閣諸島(沖縄県石垣市)が在る東シナ海や、数々の領有権紛争を抱える南シナ海に海上警察当局の後詰め役で遊弋し、外国の漁船や資源探査・掘削船を追い払える。海空軍力の脆弱な東南アジア諸国で、武威に因るムチと経済援助のアメで、中国傾斜を今以上に強める国も増えよう。

 張り子の虎でも威力

 もっとも、主権国家の矜恃を貫く国や、米国以外の対抗戦力を有する国でも、中国海軍空母打撃群に真っ向勝負を挑むのは難しくなる。人員と莫大な建造・維持費を犠牲にされ、復讐に燃える中国軍の過剰な反転攻勢で戦局は必要以上に激化も予測される。民主国家では犠牲者が出ると国民の批判を招くが、中国人民は逆に戦意を高揚させられる。そうした心理・政治的ハードルを抱える中国以外の国は、不利な条件で妥協しても外交交渉に出る。攻撃目標を打撃群以外に据えても、攻撃に加わる打撃群に対する応戦の可否を迫られ結局、矛を収める。戦意なしと判定されれば、中国の領域拡大がますます加速する。

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