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【Q&A】国賓 親密さアピール オバマ氏は異例ずくめ
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皇居=東京都千代田区 オバマ米大統領が4月23~25日に国賓として日本を訪れました。米要人の国賓は1996年4月のクリントン大統領以来で、今回のオバマ氏は18年ぶりとなります。
Q 国賓とは何ですか
A 外務省が定める5段階の外国要人招待のうち、最上位の待遇を指します。国王や大統領など元首クラスが対象です。最近では今年3月にベトナムのチュオン・タン・サン国家主席、昨年(2013年)6月にフランスのオランド大統領が国賓で来日しています。オバマ氏は今回3度目の来日ですが、国賓は初めてです。日本側が国賓での来日を強く希望して実現しました。
Q 国賓になると、どのようなもてなしを受けられますか
A 国賓には天皇、皇后両陛下を中心とする「歓迎行事」や、宮中での「ご会見」「宮中晩餐会(ばんさんかい)」、両陛下が国賓の宿泊先を訪ねられ、別れのあいさつをされるご訪問などが行われます。滞在費は日本側が原則負担します。1件当たりの費用は2500万円前後と言われており、国賓は年間2件ほどを想定しています。
Q 今回オバマ氏が国賓となったのは、どうしてですか
A 日本側は今回のオバマ氏来日を「日米の絆は揺るぎないとの一つの象徴」(菅義偉(すが・よしひで)官房長官)と位置付けています。国賓として迎え、昨年(2013年)末の安倍晋三首相の靖国神社参拝など歴史問題でぎくしゃくした日米関係の改善を図る狙いがありそうです。尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる中国との対立もある中で、米国との関係を強化し、親密さを世界にアピールしたいとの思惑もあるでしょう。
Q オバマ氏の国賓待遇は円滑には決まらなかったと言われています
A 国賓の日程をこなすには、少なくとも2泊3日は必要とされていますが、米国側は当初1泊2日での来日を日本側に提示しました。しかし、日本側の強い要請で日程を1日延ばした経緯があります。オバマ氏は国賓として来日しましたが、夫人は同行しませんでした。警備上の理由から東京・元赤坂の迎賓館には宿泊せず、天皇陛下差し回しの自動車も使わないなど、異例ずくめの対応となりました。
Q オバマ氏は来日中、天皇、皇后両陛下と会見しました
A 外国要人による天皇陛下との会見は1カ月前までに確定させて宮内庁側に申し入れる慣行があります。今回は日程調整が難航し「1カ月ルール」が守られなかった可能性も指摘されていますが、外務省、宮内庁はともに1カ月前に申請がなされており、問題はないと説明しています。
会見をめぐっては、2009年に民主党政権が宮内庁の抵抗を押し切り、ルールを破って中国の習近平国家副主席(当時)との会見を実現させ、政治問題化したこともありました。
≪メーン料理は羊肉≫
宮中晩餐会(ばんさんかい)で振る舞われるのは、フランス料理というのが明治以来の慣例。牛肉や豚肉と違い宗教上の制約がないことからメーンの料理には羊肉が選ばれることが多い。鶏肉、羊肉、乳製品などの食材は栃木県にある御料牧場で生産された。定番のデザートとして、富士山をかたどったアイスクリームが4月24日も提供された。(SANKEI EXPRESS)
1996年4月 クリントン米大統領
2010年5月 カンボジアのシハモニ国王
2011年11月 ブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王
2012年3月 クウェートのサバハ首長
2012年10月 マレーシアのアブドル・ハリム国王
2013年6月 フランスのオランド大統領
2014年3月 ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席
2014年4月23~25日 オバマ米大統領
■料理
生羹(せいかん、鶏肉や青豆、トマト入りのコンソメスープ)
真鱈洋酒蒸(マダイのシャンパン蒸し)
羊腿肉蒸焼(羊もも肉の蒸し焼き、ブロッコリーなどを添えて)
サラダ(レタスやトマト、コカブ)
アイスクリーム(富士山型)
果物(メロンとイチゴ)
<食前>
ドライ・シェリー(サンデマン・ミディアム・ドライ)、トマトジュース、フレッシュオレンジジュース
<卓上>
日本酒、白ワイン(コルトン・シャルルマニュ1999年)、赤ワイン(シャトー・マルゴー1994年)、シャンパン(モエ・エ・シャンドン ドン・ペリニヨン1998年)
<食後>
コーヒー、コニャック(ヘネシー・エクストラ)、リキュール(コアントロー、ペパーミント)、ウイスキー(バランタイン30年)