SankeiBiz for mobile

主人公の積極的な行動に共感 映画「バチカンで逢いましょう」 マリアンネ・ゼーゲブレヒトさんインタビュー

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのエンタメ

主人公の積極的な行動に共感 映画「バチカンで逢いましょう」 マリアンネ・ゼーゲブレヒトさんインタビュー

更新

「祖母、娘、孫娘といろんなタイプの女性の生き方が描かれてるのも作品の魅力です」と語る、女優のマリアンネ・ゼーゲブレヒトさん=2014年2月24日、東京都渋谷区(伴龍二撮影)  コロコロっとした体型と、ユーモアたっぷりの物言いで親しまれ、いつも周囲に笑顔をもたらしてくれるドイツ映画界の重鎮、マリアンネ・ゼーゲブレヒト(68)。彼女らしさを存分に発揮した主演作「バチカンで逢いましょう」(トミー・ビガント監督)では、元気いっぱいで愛嬌のある、おばあちゃんにふんし、ローマ男との淡い恋愛模様まで披露、「年を重ねるのも悪くないよ」とそっと教えてくれる。

 初来日のゼーゲブレヒトは「私はやりたいことをどんどんと計画して、実現に全力を尽くすタイプ。今、ある哲学者に関する本を執筆中ですが、それが片付いたらドキュメンタリー映画の撮影を考えているの。ライフワークとして本の朗読会も催しているんですよ。こんな私だからこそ、主人公の積極的な行動パターンにとても共感できました」と一気に語り、まるで自分の分身でもあるかのような主人公を愛情たっぷりに紹介した。

 イタリア人の影響

 夫に先立たれた敬虔なカトリック教徒、マルガレーテ(ゼーゲブレヒト)には家族にも言えない秘密があり、「ローマ法王に会ってざんげしたい」と思い詰め、意を決して単身バチカンへ。行きがかり上、ローマにある潰れかけたドイツ料理店のシェフになると、シュニッツェル(カツレツ)やカイザーシュマーレン(卵を使ったデザート)といった自慢のドイツ料理をふるまい、店は大繁盛。また、老詐欺師ロレンツォ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)と出会う。やがて店の評判はローマ法王の耳にも届き…。

 作中からは、ロレンツォのせりふにもある「愛の力にとても弱いイタリア人」の気質や、バイエルン州出身のマルガレーテのように慎重さと大胆さを併せ持った南ドイツ人の気質がさまざまに見て取れて、興味深い。「燃え上がって、混乱があって、くすぶっての繰り返しがイタリア人同士の恋愛スタイル。バイエルン生まれの私も彼らの影響を確実に受けていますよ。バイエルンとイタリアの距離はわずか100キロ程度だし、街には多くのイタリア移民が暮らしています。秩序を重んじるドイツ人気質は彼らの影響をどうしても受けてしまうんですよ」。ゼーゲブレヒトは独自の分析をしてみせた。

 それにしても、そんなにローマ法王とは偉い人なのだろうか。「あまり敬虔ではない“異端”なカトリック教徒」を自称するゼーゲブレヒトが、こんな解説をしてくれた。「何でも耳を貸し、どうしようもない過去の過ちを許してさえくれる本物の父親みたいな存在ね」。4月26日から東京・新宿武蔵野館ほかで全国順次公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:伴龍二/SANKEI EXPRESS

 ■Marianne Sagebrecht 1945年8月27日、ドイツ・バイエルン州生まれ。16歳から劇団で演劇の修業を積む。77年にレビュー喜劇「オペラ・キュリオーザ」を立ち上げ、国内を巡業し、多くの賞を受賞。映画では、84年「シュガーベイビー」、87年「バグダッド・カフェ」、92年「Martha et Moi」(ベネチア国際映画祭最優秀女優賞受賞)など。

 ※映画紹介写真にアプリ【かざすンAR】をインストールしたスマホをかざすと、関連する動画 を視聴できます(本日の内容は6日間有効です<2014年4月30日まで>)。アプリは「App Store」 「Google Playストア」からダウンロードできます(無料)。サポートサイトはhttp://sankei.jp/cl/KazasunAR

ランキング