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太平洋「命つないだ」13カ月 1万キロ超漂流…サメ漁師を救助
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マーシャル諸島共和国 太平洋ミクロネシアのマーシャル諸島にあるエイボン環礁で、2012年12月下旬にグラスファイバー製の船に乗ったままメキシコ沖から流され、太平洋上を約13カ月にわたって漂流していたとされる男性が救助された。漂流していた間、魚を食べ、雨が降らないときはウミガメや鳥の血を飲んで命をつないだと話している。メキシコとマーシャル諸島は直線距離でも1万キロ以上離れており、もし事実とすれば、洋上を漂流して生き延びた例として記録的なものとなりそうだ。
救助されたアルバレンガさんは、面会したマーシャル諸島駐在のトム・アームブルスター米大使に対し、漂流した経緯を説明した。それによると、アルバレンガさんは、エルサルバドル出身で、サメを取る漁師としてメキシコ・チアパス州の漁村で15年間暮らし、仲間からウィリーと呼ばれていた。
2012年12月21日、チアパス州から全長7メートルの船で10代後半の少年と一緒にサメ漁に出たところ、嵐に遭って流され、方向を見失ってしまった。1カ月ほどして少年は死亡。アルバレンガさんは船の近くを泳いでいた小魚を素手で捕まえたり、寄ってきた鳥を捕まえて血を飲んで生き延びた。船がエイボン環礁に近づいたとき、泳いで環礁にたどりついたという。
「アルバレンガさんは、船の持ち主と亡くなった少年の家族に連絡をとりたがっていた。それが泳いで環礁にたどりつこうとした動機だと話している」
アームブルスター大使はこう説明し、「洋上で13カ月も生き延び、エイボン環礁に泳いでたどりつくというのは想像しがたい。だが、この人物が厳しい試練を受け、相当な期間、洋上にいたことは確かだ」と加えた。
一方、アルバレンガさんに面会したマーシャル諸島の外交当局者は「信じられない話だ。過去に漂流して生き延びた人たちは、アルバレンガさんよりもずっとやせこけていた」と話している。