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【相川梨絵のバヌアツ通信】日本の子供たちとビデオレターで交流
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マガリリュー(MAGALILIU)の小学校の子供たちと一緒に。茨城のお友達のために、村に伝わる伝統の踊りを見せてくれました=2013年11月18日、バヌアツ(相川絵梨さん提供) 私、恐れ多くもバヌアツ親善大使と故郷茨城のいばらき大使を兼任しております。身に余る光栄です。ダブル大使として、なんとか、2つの架け橋になりたいと思案していました。そして、ついに、それが形になりそうです。
その名も「バヌアツ・茨城国際交流プロジェクト」。バヌアツの小学校と茨城の小学校をビデオオレターでつなぐプロジェクトです。
バヌアツ側は電気もガスも通っていない村マガリリュー(MAGALILIU)の小学校。以前、この村に日本の子供たちをホームステイさせました。火起こしから自分たちでやらなければならない生活に苦労しながらも楽しんでいたのをみて、絶対この村でやりたいという思いがありました。一方、茨城側は私のホームタウン、牛久市の小学校に協力をしてもらうことになりました。
初回はそれぞれの学校紹介です。バヌアツ側の撮影は私が担当。そもそも、日本の子供たちや先生は、バヌアツという国を詳しく知らないだろうから、国紹介から始めてみました。
首都ポートビラは意外に都会。銀行やレストランやお店が立ち並んでいます。交通渋滞もあります。しかし、10分も車を走らせると一気にのどかな風景に。バヌアツには信号が一つもありません。トラックの荷台には沢山の人が箱乗りしています。舗装された道路は島を一周する道だけです。
学校があるマガリリューへは、でこぼこの道を進まなければなりません。村に入るとすぐに広い原っぱに青の平屋建ての建物が見えてきます。これが小学校です。教室は3つだけ。先生も3人。2学年一緒の教室で勉強します。授業の開始と終わりには生徒が教室から外に出て行き、木に吊るした空のガス缶を棒で叩きます。これが、チャイムのかわりです。お昼は各自、一旦家に帰って食べます。午後の授業が始まる時間になると、ぱらぱらと生徒が戻ってきます。でも、全員ではありません。授業に出るも出ないも自由。
そして、先日、日本から届いたDVDを見てもらいました。この村には電気が通っていないので、DVDを見る為に、私たちはベンジンを持参しました。これで、ジェネレーターを動かして電気を作ります。
DVD鑑賞は学校の敷地内にある校長先生のおうちで。最初に登場したのが、3階建ての校舎。これは学校の建物だよと説明すると信じられない!といった表情。そして、たくさんの生徒たちが映った瞬間、口をあんぐりさせる子供たち。給食、コンピューター室、ランドセル、防災頭巾。全てのものが初めてで驚きの連続だったようです。
この後、たくさん質問も出ました。先生は何人いるのか。給食はおいしいか。コンピューターの授業は毎日あるのか。地震は多いのか。何して遊ぶのか。私たちの村には海があるけど、近くに海があるのか。最後に、茨城の子供たちのために、この村に伝わる伝統的なダンスを見せてくれました。腰や頭にバナナの葉っぱを巻き、顔にペイント。村の言葉をお囃子のように言いながらステップを踏み、手に持ったココナッツの殻や竹の棒で音を出します。
日本の子供たちはこれを見てどんな反応を示すのでしょうか。とても楽しみです。
企画、交渉とすべて自分で動いて実を結んだプロジェクト。「当たり前だと思っていることが実は当たり前ではない」ということを子供たちに知って欲しい、そんな気持ちで取り組んでいます。
最終目標は交換留学。実際にお互いの暮らしを体験できたら、彼らにとってかけがえのない経験になることでしょう。実現できるようにがんばります!(フリーアナウンサー 相川梨絵/SANKEI EXPRESS)
交流プロジェクトの模様は、茨城県のインターネット番組「いばキラTV」(ibakira.tv/archive/vanuatu_pro/)で特集されます。