ニュースカテゴリ:EX CONTENTSエンタメ
私も勇気を与えられればうれしい 映画「ヌイグルマーZ」 中川翔子さんインタビュー
更新
【かざすンAR(視聴無料)】「強い願いを持てば夢は近づいてくる」と語る、マルチタレントの中川翔子さん=東京都目黒区(小野淳一撮影)
「しょこたん」の愛称で知られるマルチタレント、中川翔子(28)が少女時代からずっとあこがれてきたのは、仮面ライダー、ウルトラマン、宇宙刑事ギャバン-昭和の時代を彩ったテレビ番組の特撮ヒーローたちだ。思春期を迎えた中川が同級生たちと話がかみ合わないのも当然だ。彼女たちの関心は、ボーイフレンドやファッションといった年相応の一般的なものだったからだ。次第に孤立感を深めていった中川は、自らの中高時代を「暗黒時代」と呼び、癒やしを求めてますます特撮ヒーローたちが活躍する世界に傾倒していく。
「現実の自分は本当にだめでした。学校では体育の授業が大の苦手で、通信簿の成績はいつも最低。だから、私はとにかく強くなりたかった。自宅ではアクションスターのブルース・リーをまねて、ヌンチャクを練習しました。自宅の壁を傷つけることもよくありましたよ」。今でもその気持ちは変わらず、むしろ強くなったほど。2002年に芸能界デビュー後、ヒーロー映画のオーディションを何度か受けては落ち続け、初めて手にしたのが、特撮アクションコメディー「ヌイグルマーZ」(井口昇監督)の主演だった。
本作はミュージシャンの大槻ケンヂ(47)が率いるバンド「特撮」の楽曲「戦え!ヌイグルマー」の世界観を映画化したもので、ヒーロー「ヌイグルマー」のデザインは、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの鶴巻和哉(47)とコヤマシゲトが担当。中川は「強い気持ちや願いを持ち続ければ、いつか自分の未来を大きく変えることができる。そんなメッセージが込められた作品です。私が特撮ヒーローから勇気をもらったように、私も勇気を与えられればうれしい」と紹介した。
中川の役どころは「中高時代の自分と同じような、だめな人間で、生きることに自信が持てない、気持ちの弱い少女」。ロリータファッションで決めたダメ子が、ピンク色のテディベア(声、阿部サダヲ)と合体することで、全身ピンク色のヒーロー「ヌイグルマー」(武田梨奈)に変身し、ゾンビを放って世界征服をたくらむ悪党に戦いを挑む姿が奇想天外に描かれている。
人間は孤独に苦しんだとき、どうやって自分の居場所を見つければいいのか。中川は思春期に何度も考えた。周囲との距離の取り方で逡巡(しゅんじゅん)を重ねる中川のつらい状況を打開してくれたのは、親が買い与えてくれたパソコンだった。「インターネットの世界で私と同じ趣味の人たちとたくさん知り合いました。自分を理解してくれる人がこんなにもたくさんいることに驚き、うれしかった」。実際に彼らと交流するようになり、一緒に特撮ヒーローのイベントに行ったこともあるそうだ。
吹っ切れたかのように、どんどん自己表現の裾野を広げ、たくさんの肩書を得てきた中川の今年の目標がまた大胆かつ印象的だ。「私の夢は、愛も悲しみも知った、かっこいい熟女になり、シャンソン歌手になること。そのためには早く出産しないといけないなあ。うん、今年の目標は出産です」。1月25日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:小野淳一/SANKEI EXPRESS)
※映画紹介写真にアプリ