SankeiBiz for mobile

新春インタビュー 「仕事とは何か」見つめ直す(2) 映画「ジャッジ!」 妻夫木聡さん 北川景子さん

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのエンタメ

新春インタビュー 「仕事とは何か」見つめ直す(2) 映画「ジャッジ!」 妻夫木聡さん 北川景子さん

更新

劇中、見事な英会話を披露した北川景子さんは、「以前、米国の映画に出演したときの経験が役に立った。洋画を見て英会話を忘れないようにしている感じかな」と語った=東京都港区(瀧誠四郎撮影)  周りとの関係把握

 妻夫木(つまぶき)聡の仕事観を聞いた北川景子は「私の場合、キャリアが浅くて、今でも駆け出したばかりのような気持ちだから…」。たっぷりと謙遜の言葉を並べたかと思いきや、妻夫木に負けないくらい、ストイックにすら思えるしっかりとした俳優としての心構えを明かした。デビュー当時から気をつけているのは、常に自分を客観視したうえで、撮影現場ではどうすれば作品が一番よくなるかを考えることだという。「自分は作り手の一員だから、『自分が一番よく写りたい』とか、『自分がこうしたい』とか言うのはだめ。自分が何を求められているのかも分からずに、路頭に迷うのは一番よくありません。だから、自分はどんな芝居が要求され、撮影以外のときでも何が必要とされるのか。常に周りと自分の関係を把握しておく。これからもそうしたいと思っていますよ」

 ギリギリまで無茶

 作中では「『無茶』と書いて『チャンス』だと思え」とのフレーズが何度も飛び交ったが、妻夫木も北川も仕事では無茶をする方だという。

 妻夫木は「ちょっとくさい言い方かもしれないけれど、男気をみせたいと感じているのかもしれない」と自己分析してみせた。例えば、ビルの屋上での撮影でスタッフから命綱を勧められても、「僕は大丈夫です」と言ってしまうタイプ。「『カットがかかるまで僕はギリギリまで攻めちゃうからね』って思うんですよ」。北川も「作品のクオリティーを保つためなら、けがしてもいいから無茶したい。カースタントなしで撮影するとかですね」。作品選びも挑戦的な態度で臨むそうだ。「人から『何でこんなのに出演するの?』『やめちゃいなよ』『王道の作品だけ出ればいいのに…』と思われても、本当にそうなのか分からないでしょう。そんな作品に出演することが思わぬチャンスを生むことになるかもしれないのだから」

 インタビューで生真面目な心構えばかり並べてしまったと考えたのか、2人が語った新年の抱負は「笑って過ごそう」と、楽しいものだった。「僕も30を越えたから思うのかもしれないけれど、若い頃に比べて、人間は笑っていた方が楽しく生きられる気がしてきたんですよ。

 1月からこの映画を見て、笑ってもらえれば、いい一年になっちゃうかもしれませんよ」と妻夫木。北川は「ため息をつくより笑っていた方がいい。だから仕事では楽しくいろいろ無茶していい年にしたいです」と目を輝かせた。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:瀧誠四郎/SANKEI EXPRESS

 ■きたがわ・けいこ 1986年8月22日生まれ。兵庫県出身。2006年公開の「間宮兄弟」(森田芳光監督)で映画初出演後、08年「太陽と海の教室」、09年「ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~」、10年「月の恋人~Moon Lovers」など立て続けに話題のドラマに出演。そのクールビューティーな容姿が注目され、人気を集める。主な出演映画は、11年「パラダイス・キス」(新城毅彦監督)やヒットドラマを映画化した13年「映画 謎解きはディナーのあとで」(土方政人監督)など。今年は、「抱きしめたい-真実の物語-」(塩田明彦監督、2014年2月1日公開)、「悪夢ちゃん The 夢ovie」(佐久間紀佳監督、2014年5月3日公開)と主演作が続けて公開になる。

 【Story】

 広告代理店の落ちこぼれクリエーター、太田喜一郎(妻夫木聡)は、上司の大滝一郎(豊川悦司)から世界一のCMを決める「サンタモニカ広告祭」の審査員を押しつけられる。同行者は英語も仕事もできるが、ギャンブルが大好きという同僚、大田ひかり(北川景子)。ついに開幕した広告祭。熾烈な多数派工作を繰り広げるくせ者ぞろいの審査員たちにたじろぐ太田に、大滝から「ちくわのCMで入賞できなければクビ!」と追い打ちの電話が。ライバル代理店のエリート社員、木沢はるか(鈴木京香)も参戦した。太田の武器は、窓際社員の鏡さん(リリー・フランキー)直伝のペン回しの技と、鏡さんからもらった大量のおたくグッズ、そして純粋なる“広告愛”だけだ。

ランキング