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「伝統の技」受け継ぎ 新たな挑戦

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「伝統の技」受け継ぎ 新たな挑戦

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 伝統工芸から美術、インテリアなど、気鋭の職人やアーティスト、工房らによる展覧会『伝統を更新する「承」』が12月6日、東京・銀座の老舗百貨店「銀座・和光」で始まった。伝統技法にとどまらない新しい挑戦に満ちた作品がそろっている。

 丸若屋監修展覧会

 展覧会は「伝統を受け継ぎながらも更新していく『心と技』」をテーマに、銀座・和光が主催。フリーランスのバイヤー、山田遊さんが企画と総合監修、SANKEI EXPRESSに「円游庵(えんゆうあん)の道具たち」を毎月第1金曜日に連載中の丸若裕俊さんが代表をつとめる「丸若屋」が企画と意匠監修を手がけた。

 参加しているのは、磁器や切り絵から、指物、染織、木彫りまで、各分野で活躍中の職人や、アーティスト、工房。今まで東京ではほとんど展示や販売を行ってこなかった作家が多く、今回の展覧会は作品を直に見ることができる貴重な機会となる。

 九谷焼の窯元・上出長右衛門窯の六代目、上出惠悟(けいご)さんは若手アーティストとしても活動中。身近にあるバナナをモチーフにしたオブジェや、伝統的な文様である「花詰」で埋め尽くされた髑髏(どくろ)形の菓子壺など、独創性豊かな作品作りに取り組んでいる。

 深堀隆介さんは金魚をテーマにした作品を発表。升や桶などの器に透明樹脂を流し込み、硬化した表面にアクリル絵具で金魚を描き、それを繰り返すというオリジナルの技法で、絵画とは思えない立体感の金魚を描く。

 福井利佐さんは新進気鋭の切り絵アーティスト。人間や動物、植物をモチーフに、従来の「切り絵」の概念を覆す作品づくりを行っている。

 工房や老舗も参加

 このほか、伝統的な技術を今に伝える各地の工房も参加。「染司(そめのつかさ)よしおか」(京都市)は、飛鳥時代から江戸時代の終わりまで行われていた日本の古典的・伝統的技法である「植物染」「草樹染」を伝承する染物店で、今回は「経縞ストール」などを出展。

 鎌倉彫の老舗「博古堂」(神奈川県鎌倉市)は伝統的文様をモダンに表現した「手刳小筥(てぐりこばこ) 唐草」(22万円)などを、オリジナルの和照明を制作する「興石(こうせき)」(京都市)は竹と和紙を使った「竹編丸形コードペンダント」(23万1000円)などをそれぞれ出展する。

 丸若さんは「美しさもさることながら、日本屈指の敷居の高い店舗での新しい試みを楽しんでほしい」としている。(塩塚夢/SANKEI EXPRESS

 【ガイド】

 ■伝統を更新する「承」 2013(平成25)年12月6日(金)~15日(日)午前10時30分~午後7時30分(13・14日は~午後8時、最終日は~午後5時) 東京都中央区銀座4の5の11 銀座・和光本館6階 和光ホール (電)03・3562・2111(代表)

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