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パールデザイン コンテスト開催(下) 「ライオン×女性」 強く美しい象徴
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グランプリを受賞した高木ゆりさんのワンピース=2013(平成25)年9月4日、東京都渋谷区(横浜国立大学大学院2年、山市直佑撮影)
約40分のファッションショーが終わり、グランプリ、金賞、銀賞の各賞が発表された。銀賞に選ばれたのは、文化学園大学の窪田麻紀さん(20)がデザインした「花かんざし」。金賞には文化学園大学大学院の宮崎ひさみさんの「帯留め」が選ばれた。
窪田さんの花かんざしは、日本の伝統工芸であるつまみ細工の技法を用いて作られたという。正絹の白いちりめんを花びらに使い、めしべの真珠は、染料を使って淡く染め、桜のような色合いを出した。宮崎さんの帯留めは、ティアラとしても使えるようなデザイン。「生命を育む海と響き合う存在」を表現したという。
和装ジュエリーが金賞と銀賞に輝いたが、最高賞のグランプリには洋装が選ばれた。文化学園大学の高木ゆりさん(20)のライオンをモチーフにしたワンピース。エレガントさに加えて、真珠のイメージからはかけ離れたアグレッシブで新鮮なデザインが特徴だ。
高木さんは、「パールの上品で美しい輝きに、百獣の王ライオンの持つ力強さを組み合わせ、新しい真珠の可能性を提案しました。今を生きる強く美しい女性の象徴をイメージしました」と、デザインの意図を説明してくれた。
より多くの「今を生きる強く美しい女性」たちに、真珠を身に付けてもらえるようになれば、真珠産業が置かれている困難な状況を打破することにもつながる。まさにグランプリにふさわしい作品が選ばれた。
≪グランプリの高木ゆりさんに聞く≫
グランプリを受賞した高木ゆりさんに話を聞いた。
――グランプリ受賞、おめでとうございます
「ありがとうございます」
――今回、応募したきっかけは?
「大学の授業でこのコンテストを知ったことです。それから日本真珠振興会の方が大学に実際に来られて、真珠を実際に見ることができて、より一層やる気になりました」
――今回、製作にあたって、いちばん意識したことは?
「とにかくゴージャスで、いちばんキラキラしたものを作ろうと思いました」
――製作で一番大変だったことは?
「真珠を模様通りに縫い付けるのがとても難しかったです。何度も何度も試行錯誤を続けました」
――どれくらいかかりましたか?
「(2013(平成25)年)7月31日から昨日(9月3日)まで(約40日)です」
――今回の受賞の喜びを、誰に一番伝えたいですか?
「親と、いちばん手伝ってくれた、矢沢先生です」
――最後にメッセージを
「初めての経験だったので、何もわからなくて。でも、いろんな人に助けてもらって作り上げることができました。ありがとうございます。今回の制作を通して、自分がまだできないことや、自分に足りないことをたくさん知ることができて、実感できたことは、とても大きな糧になると思います。これからもいろんなことに挑戦していきたいです。次に応募したいコンテストの締め切りが直近であるので、まずはそれに向けて全力で取り組んでいきます」
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一見するとおしとやかでおとなしそうな高木さんだが、言葉からは芯の強さと、ひたむきさが伝わってきた。今回のコンテストが、デザイナーとして飛躍するきっかけになればと願っている。(今週のリポーター:横浜国立大学大学院 山市直佑/SANKEI EXPRESS)
グランプリ受賞をした高木ゆりさんの作品は、2013(平成25)年10月20日~22日の3日間、東京・日本橋のコレド室町で行われる「TOKYO KIMONO WEEK」に出展する「きものサローネ」のブースに展示される。
10月22日(火)には、コレド室町内の三井ホールで、コンテストの最終審査と同様の演出によるファッションショーが開催される。「百聞は一見にしかず!」 ご来場をお待ちしています。