機構法の改正では、機構内部で執行部の統治強化を図る。具体的には執行部の監督や任命、解任などができる機構代表者会議の権限を強化し、理事長に対する是正措置命令や役員を解任できる事由を拡大する。
これまではシステム障害など機構の内部事務と直接関係しない事案については、代表者会議は処分できる権限がなかった。これを改め、内部事務以外のマイナンバー関連事務に関して措置命令などを出せるようにする。また、機構内に個人情報保護などマイナンバーの情報漏洩(ろうえい)を監視する有識者会議を設置する。
番号通知カードの印刷漏れなど、同カードの配達が始まった15年10月以降の一連のマイナンバー関連のミスに関して、総務省は「機構は機構法に基づき、地方自治体が共同で設立しており、(法律上の)権限はない」(高市総務相)との立場で、無責任との批判も受けてきた。今回の法改正によって機構の統治の在り方や監督の責任の所在が明確となることで、総務省のマイナンバー行政にはより厳しい視線が注がれそうだ。