韓国、輸送業の赤字10億ドル 1~7月統計 需要低迷で輸出減 (2/2ページ)

 専門家は「世界経済の減速が韓国の輸出減少の要因となり、貨物運搬料の下落につながった」と述べ、輸出不振が各社の収益を圧迫したと分析した。今年1月の釜山港の輸送コストをみると、20フィートコンテナ1台当たり159万ウォン(約15万円)となっており、前年同月比で1.4%下落したもようだ。

 今年8月には、同国海運最大手の韓進海運が経営破綻し、同社の貨物船が米国など各国の港で入港差し止め措置を受けるといった混乱をもたらした。

 破綻を受けて親会社の韓進グループが1000億ウォン、筆頭株主の大韓航空が600億ウォンの資本注入を行うと表明したが、破綻時に海上にあった貨物の陸揚げ費用だけで1700億ウォンが必要ともされる。最大の債権者である国営韓国産業銀行も新たな融資を決定し、陸揚げ費用のめどはついたものの、同社の経営は先行き不透明な情勢だ。

 好調な輸出に支えられてきた同国の輸送業だが、足元では輸出の苦戦が長期化している。世界的な需要低迷もあって輸出の急回復が望めないなか、当面は厳しい経営を強いられる局面が続いていきそうだ。(ソウル支局)