日銀が10月3日に発表する9月企業短期経済観測調査(短観)について、民間15社の予想が28日までに出そろった。大企業製造業の景況感は9社が改善を予想しており、5期ぶりの改善が見込まれる。英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う金融市場の混乱が沈静化したことに加え、熊本地震からの生産復旧が後押しするが、改善幅は小幅にとどまる見通しだ。
大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)の予想は平均7で、前回6月調査から1ポイント改善する。輸出関連企業では円高が業績の下押し材料となるが、自動車の生産回復に加え、素材関連企業では原油安が業績を押し上げる見通しだ。
一方、非製造業の業況判断DI予想の平均は18で、6月調査から1ポイント低下が見込まれる。「個人消費周りに明るさがみられない」(第一生命経済研究所)ことが足を引っ張りそうだ。
景気の先行きを示す指標となる平成28年度の設備投資計画は、上ぶれするとの予想が多い。多くの中小企業が例年この時期に、見通しを修正するためだ。ただ「円高に伴う収益率低下で慎重化する」(SMBC日興証券)との指摘もある。