政府は2日の臨時閣議で事業費28兆1千億円の経済対策を決定した。デフレを打開するため、借金を拡大して追加歳出4兆円の補正予算を編成。公共事業や低所得者への現金給付を柱に据える。麻生太郎財務相は決定後に日銀の黒田東彦総裁と会談、政府・日銀の連携を確認し、一体となって景気底上げを目指す。
対策の一部は平成28年度第2次補正予算案に盛り込み、9月召集の臨時国会に提出。4年ぶりとなる年度途中での建設国債増発により財源不足を補う。一足先に追加金融緩和に動いた日銀と足並みをそろえてアベノミクスを加速するが、財政規律が緩んで日本経済に深刻なリスクを抱え込む懸念も拭えない。
29年度以降の実施分も含め、国の歳出は6兆2千億円となる。1億総活躍社会の実現に向け、低所得者2200万人を対象に1万5千円を給付。無年金者救済策として、年金受給資格を得られる加入期間を現行の25年から10年へと短縮する。