日銀「総括検証」に市場関心　次回会合まで１カ月半余り、早くも「神経戦」 (1/3ページ)

　日銀が前週末の金融政策決定会合で打ち出した金融緩和の「総括的な検証」が市場の関心を集めている。投資家の間では「追加の金融緩和に踏み切る場合の“副作用”に配慮した措置を検討するのではないか」との見方が急浮上している。次回会合（９月２０、２１日）まで１カ月半余り。日銀は追加緩和に踏み切ったばかりだが、早くも市場との「神経戦」がスタートしている。

　金融緩和の強化についてと題した会合の声明文で、追加緩和よりも注目を集めたのは、次回会合までに「総括的な検証」をすると明記した部分だ。

　「２％の物価目標をできるだけ早期に達成する」観点を強調しているため、ＪＰモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは「追加緩和の可能性を示唆した」と指摘。９月会合で、国債と不動産投資信託の買い増し、マイナス金利の深掘り－の全てを実施すると見込んでいる。

　一方、金融緩和の副作用に配慮し、軌道修正するとの観測も増えつつある。

　「（緩和が）うまくいっているのであれば検証する必要はない。日銀に迷いがあるからこその検証だ」

日銀のマイナス金利政策と国債の大量購入で市場金利は大幅に低下した