日銀は29日、2016~18年度の成長率や物価の見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表した。英国の欧州連合(EU)離脱問題や新興国経済の減速で、海外経済の先行きへの不透明感が強まっているとして、16年度の消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)の予想を4月時点の前年度比0.5%から0.1%に引き下げた。
17年度と18年度はそれぞれ1.7%、1.9%で据え置いた。2%の物価上昇目標の達成時期は「中心的な見通しとしては、17年度中になるとみられる」としつつ「不確実性が大きい」と指摘した。
景気の現状は「基調としては緩やかな回復を続けている」と前回判断を据え置いた。先行きは「しばらくの間、輸出・生産面に鈍さが残り、景気回復ペースの鈍化した状態が続く」と指摘。その後は「基調として緩やかに拡大していく」と分析した。実質国内総生産(GDP)の見通しは16年度を前年度比1.2%増から1.0%増に下方修正した。17年度は0.1%増から1.3%増に上方修正したが、18年度は1.0%増から0.9%増に引き下げた。