金融庁は、年間120万円までの投資で得た売却益や配当が非課税になる少額投資非課税制度(NISA)について、現行5年の非課税期間の延長を検討する。個人が投資で長期の資産形成をしやすい環境を整え、貯蓄から投資の流れを後押しする。国内総生産(GDP)600兆円の実現に向け、家計の金融資産を市場に呼び込み、日本経済の成長力を押し上げる。
金融庁は今夏の税制改正要望で、非課税期間を2年以上延長するよう財務省に求めるもよう。合わせて、2014年から23年までの10年間の時限措置である制度自体の恒久化の要望も視野に入れる。
政府が2日に閣議決定した「日本再興戦略2016」には「家計の安定的な資産形成を促すべく、NISAのさらなる普及と制度の発展を図る」と明記されている。NISAの口座開設数は15年末に987万口座となり、14年末と比べ約2割増えた。制度の拡充で個人の投資を促し、投資で稼いだ利益が消費に回る好循環にもつなげたい考え。