正恩政権は2012年に「6・28措置」と呼ぶ経済策を打ち出し、農業改革に取り組んできた。取れ高の一定割合を農民が自由に扱えるようにし、生産意欲を鼓舞するのが狙いだ。
昨年、一部地域では実際に収穫量の7割が農民に渡ったとされ、さんざん政権に裏切られてきた農民の間で、「元帥が約束を守った」と驚きをもって受け止められたという。
一方で、昨年、「100年に1度」といわれた干魃(かんばつ)に見舞われ、韓国政府は、穀物生産量が前年比6・3%減ったと推定している。それでも、「農業改革は成功している」といった景気のいい報告から、金第1書記が、国際的に孤立しても、自活は可能だと判断したとみても不自然ではない。
超強硬派が対外交渉役に昇任
4日付党機関紙、労働新聞は、会議の席上、紺の人民服姿で金第1書記のそばに座る金英哲(ヨンチョル)氏を写した写真を掲載した。対北情報筋は、昨年末に事故死が発表された金養建(ヤンゴン)氏に代わって、対韓政策を統括する党統一戦線部長と書記を兼務したとの見方を示した。